代表理事挨拶
一般社団法人「人工生命とロボット国際学会」の理事長就任のご挨拶
岡山大学
渡辺 桂吾
皆様、人工生命とロボット国際学会(ISAROB)の第3代目の理事長に2024年6月より就任いたしました岡山大学の渡辺桂吾です。この場をお借りして、就任のご挨拶を申し上げたいと思います。
まず、初代理事長の杉坂政典先生、そして2代目理事長の田中博先生の偉大な業績に心から感謝申し上げます。杉坂先生は1996年の第1回会議から、ISAROBの基盤を築き上げ、国際的な学術交流の場を提供してくださり、また田中先生はその伝統を2013年度より引き継ぎ、学術活動をさらに発展させてくださいました。お二人の功績を胸に、私はこの学会をさらに進化させるべく尽力してまいります。
近年、人工生命やロボティクスの研究はますます学際的になっており、特に深層学習やCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の応用研究が急速に進展しています。この進展に伴い、工学、生物学のみならず、教育や経済といった異分野との境界も曖昧になり、研究内容や論文投稿内容も多岐に渡っています。これからは、より多くの複合的な分野からの研究者との交流が重要になってくるでしょう。
さらに、メタヒューリスティクス分野もこの10年間で著しい進展を遂げ、多様なアルゴリズムが提案されています。これらのアルゴリズムは、工学における制御問題やロボット制御、さらには最適化問題の解決に貢献しています。この学会においても、引き続きこれらの研究が活発に行われ、新たな知見が蓄積されていくことを期待しています。
最後に、生成AIの技術進展についても触れたいと思います。我々研究者は、この生成AIとどう向き合うかが問われています。特に、研究者が考える問題に対して、生成AIが補足知識や情報を建設的に提供できるよう、適切な質問を行うことが求められます。これが、いわゆる「プロンプトエンジニアリング」の重要性です。質の高い質問内容を通じて、より深い洞察や解決策を得るためのスキルが、これからの研究において不可欠となるでしょう。
これからもISAROBの発展に尽力し、皆様のご協力を賜りながら、人工生命とロボティクスの未来を共に切り拓いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。