ISAROB
International Society of Artificial Life and Robotics
一般社団法人
人工生命とロボット国際学会


代表理事挨拶

一般社団法人「人工生命とロボット国際学会」の理事長就任のご挨拶

東京医科歯科大学
田中 博

田中 博

 昨年2012年の11月の理事会で、前理事長の杉坂政典氏に替わり一般社団法人「人工生命とロボット国際学会(ISAROB)」の理事長を拝命した東京医科歯科大学の田中 博です。遅れましたが、ここに就任のご挨拶を申し上げたいと思います。

 周知のようにAROBは1996年の第1回会議から杉坂氏の比類ない努力によって、17年にわたり毎年国際学会を開催し、国際誌「Artificial Life and Robotics」をSpringer社より刊行し続けてきました。この長年の杉坂氏の偉業を引き継ぎ、また人工生命や生命複雑系、Human-inspired ロボットなど、AROBの学術活動をさらに発展していくために、微力ですが鋭意努力する所存ですので宜しくお願いいたします。

 私は、AROB国際会議のプログラム委員長を第2回から16年間務めさせて頂きましたが、AROBの関係する分野は広く、私一人ではこの重責を果たすことは不可能です。幸いAROBコミュニティには、これまでの発展を通してAROB学術活動を支えて下さった多くの素晴らしい先生方がおられますし、また会の運営を処する事務局の方にも恵まれています。これらの方々に助けられて、私も昨年からの前理事長からの引継ぎに関する諸々の事柄や今年2月に始めて国外で開催された韓国でのAROB18を、何とか無事に対処することができました。

 AROBが関係する分野は、最近とくに広がっているように思われます。人工生命も本来、”life-it-could-be”の観点から生命の本質を把握しようとするもので、ゲノム時代の根本的な生命思考として期待されますし、また最近は合成生物学として望む機能を持った細菌を遺伝的に合成する分野も現れています。Human-inspired ロボットの分野もその発展は目を見張るものがあります。さらに最近は分子ロボットなども関心を集めており、また超高齢化社会の我が国において介護ロボットも本格的に広がりつつあります。

 私としてはこのような最新の動向も取り入れAROBの取り扱う領域の拡充に努めますとともに、理事会を始め法人組織を整備して学会としての体制も確立していきたいと思っています。そのためにも、AROBの学術活動をこれまで支えて頂いた先生方の引き続きの一層のご活躍をお願い申し上げるとともに、新しく意欲的な方々を惹きつける学術活動でありたいと思っています。